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未来を創造する箱

世界的なスポーツ用品メーカーであるモルテンは、スポーツ用品のみならずゴムや樹脂の加工技術を活かし自動車部品の製造や、近年では医療福祉関連用品の製造にも力を入れている企業である。新社屋では事業の多様化により広島市内に分散していた開発機能やオフィス機能を一か所に集約し新たなモノづくりの礎となる開発拠点“テクニカルセンター”として発想とプロダクトを生み出す創造の場が求められた。
計画は延床1.5万㎡と広大で、複雑な与件の整理と同時に創造の場としての空間構成の骨子となる考えが必然であった。当初より私たちの提案は、用途や空間にブランクを持たせ機能を混ぜること、そして変化と多様性を許容する場作りという三点に要約される。
スポーツ用品部門の“the Court”、自動車部品部門の“the Garage”、医療・福祉機器部門の“the Medical Lab” 3つの事業部それぞれを象徴するようなラボスペースを計画、建物の中心を貫くように設けた大階段と吹き抜け。エンジニアやデザイナーが集まり試作品づくりが行える “the Studio”はメイン導線であり各所から視認性の高い吹き抜け部分に浮遊するように配置し、各部署を繋ぐ施設の心臓部として分野間の研究をクロスオーバーさせ開発促進を図るこの施設の根幹ともいえる場と位置付けた。
モルテンの歴史と技術を紹介するギャラリー兼通路やライブラリー、200人を一度に収容できる食堂には一角にcafeを設け来客者や社員間のコニュニケーションを図ると共に、将来的に夜は居酒屋として従業員のモチベーションを高める場にもなるよう可変性と遊びを取り入れた。建築はシンプルなラーメン構造で柱梁の骨格や柱頭部材を現し、工業製品を利用したマテリアルで構成。四季、時間、天候といった自然環境が写り込み絶えず印象が変化するアルミパネルの外壁で抽象化したニュートラルな箱形の建築は [the Box]と名付けられた。
用途が限定されていない大階段、入社式やイベントにも利用できるバスケットコートなど余地を持たせることで能動性を高め、部門や社内外を超え化学反応が起こる状況を目指している。
仕事と遊び、無機物である開発材料と自然という有機物、羊のいる畑と研究施設。それらの相反する物事の同居は、互いの境界線を越えて交じり合うなかで定石を覆すような発想の種を発見し育てる。そんな文化を醸成していくための未完成な箱である[the Box]この建築の変化と創造性がもたらす未来に期待を寄せたい。

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Credit

設計: SUPPOSE DESIGN OFFICE
施工: フジタ
植栽: SOLSO
写真: 長谷川 健太

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